バイバイ、ぶぅちん

生まれて初めてみた、生まれて間もない真っ黒な子犬。
みぃ～んな同じ色だから、色とりどりのリボンを着けていた。
憧れて居た犬。飼いたかった犬・・・フラットコーテッドレトリバー。
当時は頭数も少なく本当に珍しい犬種だった。

その子達が生まれていなかったら、
私は全然違う人生を歩んでいたかも知れない。

その子達が生まれてくれたからこそ
今の自分が居るのだと、心から思える。

あの日、新聞に「譲渡」の文字を見つけ
思わず「ブリーダーさんですか？！」と非常識な電話をした。
ちょっとビックリした感じで、でも、戸惑いながらもとても親切に対応してくれて。
当時は飼える訳もなく、ただ憧れの犬種を見たい気持ちで溢れかえり、
後日、私はバスと地下鉄を乗り継ぎ、その子犬達を見に行った。

優しい奥さんと旦那様。そして大きな体のワンコと子犬達。
まるで絵に描いたかのような、幸せな空間と時間を今でも覚えてる。
見ず知らずの私を、快く向かい居れてくれて子犬を触らせてくれた。

あれから１２年の月日が流れた。

先に父親犬が亡くなり、そして母親犬が亡くなり・・・
その現実が受け入れれずに、暫く遊びに行く事が出来なかった。
２頭の居ない現実から、逃げていた弱い自分。
１頭だけになってしまった空間を見つめるのが辛かった。
でも、オーナーさんはもっともっと辛かったはず。

そして今日、あの日生まれた子が天寿を全うした。

私の人生を変えてくれた子
子犬の時から見てきた子
一緒にオモチャで遊んだ子

イチゴが大好きな・・・ブルー・・・

天高く舞い上がれ
父母の待つ　青い青い大空へ
そしていつの日か　また逢おう

ありがとう。ブルー。
またね。